星雲・星団のスケッチ
7. 参考書
作成:滝 敏美
2007年1月14日
ここでは,わたしが愛読している星雲・星団の観望に関する参考書を紹介したいと思います.
英語の本ばかりですが,星雲・星団の観望はなんといっても米国が本場ですので,日本のみなさんにもぜひ読んでもらいたいと思います.ここに挙げた本以外にもたくさん出版されています.星を見ることができないときに本を読む楽しみもあります.わたしは,見え方を解説しただけの本よりも,天文学の解説や観測の歴史が載っているもののほうが好きですので,そのような本を選んでいます.
Amazon.co.jpで購入できますので,入手はむずかしくありません.
[1] The Rev. T. W. Webb, "Celestial Objects for Common Telescopes, Volume 2," Dover Publications, Inc., 1962.
Deep Sky Objectの解説の古典.初版は1858年に出た.1962年にドーバー版(ペーパーバック)が出た.星座順に星雲・星団,重星,変光星,赤い星がリストアップされ,見え方が解説してある.ロス伯やハーシェル等がどう観察したかの記述がある.星図は載っていない.Volume 1 は太陽系天体が対象.
[2] Robert Burnham, Jr.著, "Burnham's Ce;estial Handbook, An Observer's Guide to the Universe Beyond th Solar System," Dover Publications, Inc.,1966.
全3巻のペーパーバック.これもDeep Sky Objectの観望の古典になっている.星座のアルファベット順に星座,明るい星,変光星,重星,星雲・星団のリストと解説がある.解説は,見え方はもちろん,天文学,歴史,文学までにおよぶ.たなばたの記述があるくらい.天文学の解説はさすがに古くなっている.口径30cmまではこの本で十分である.星雲・星団の星図は載っていない.大口径で撮った写真は多数載っている.和訳が地人書館から「星大百科事典」として出ていた.著者は悲惨な晩年を送り,1993年に亡くなった.伝記がここ(英文)にある.
[3] Roger N. Clark著, "Visual Astronomy of the Deep Sky," Sky Publishing Corporation and Cambridge University Press, 1990.
かすかな光に対する人間に目の機能を詳しく解説し,どうしたら淡い天体をよく見ることができるかを解説している.星雲・星団の観察には低倍率を使うという常識を覆す.611個の天体リストがあり,最適倍率が載っている.20cmカセグレインで描いたスケッチが多数載っている.M51が空の条件と倍率の違いによってどう見え方が変わるかを詳細に説明しているのがとても参考になる.
[4] Stephen James O'Meara著, "The Cadwell Ojects," Cambridge University Press, 2002.
10cm屈折によるCaldwellカタログの全天体のすばらしいスケッチが載っている.口径10cmでここまで見えるとは信じられない.著者は,普通の人が口径20cmで見るくらいまで見ている.最新の天文学の知識と眼視観察の情報の両方が解説されていて,読むのも楽しい.同じシリーズでメシエ天体の本もあり,こちらは和訳が出ている.
[5] Walter Scott Houston著, "Deep-Sky Wonders," Sky Publishing Corporation, 1999.
Walter Scott Houstonが1946年から1994年までSky & Telescope誌に連載していた "Deep Sky Wonders" というコラムをStephen James O'Mearaがまとめたもの.どこから読んでもおもしろい.著者がコラムの読者とともに,眼視では見えないと思われていた天体にチャレンジして,眼視の限界を拡げてきた経過がわかる.アメリカの星雲・星団観望の歴史そのもの.
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