カタパルト発進垂直上昇デルタ翼グライダー

作成:滝 敏美
2023年12月22日
A改訂:2024年1月30日
B改訂:2024年4月9日


カタパルト発進垂直上昇グライダー

平板三角翼機の低レイノルズ数における空力特性

2023年12月2日に開催された第28回スカイスポーツシンポジウムで,金沢工業大学の岡本正人先生が「紙飛行機に見られる空力特異性」という論文[1]を発表されました.低レイノルズ数の条件下では,平板翼の模型グライダー(紙飛行機)で高速垂直上昇と低速滑空を両立することができることを風洞試験で確かめたという内容です.
特に,下に示す平板三角翼では,空力中心よりも後ろの重心位置(31%MAC)で,ピッチングモーメントがゼロになる迎角が0度と約8度の2箇所にあり,迎角約8度では縦の静安定があることが風洞試験結果(下のグラフ)からわかります(迎角8度でピッチングモーメントの傾きが負).このグラフは発進時の高速垂直上昇とその後の安定な低速滑空が可能であることを意味しています.





垂直上昇するカタパルト発進グライダー

上で見たように,この論文には平板のデルタ翼形状と重心位置が載っていますので,これを使ってカタパルト発進の垂直上昇機を製作してみたので紹介します.簡単に製作できて,調整もやさしく,よく飛びます.

製作法と調整法の資料をダウンロードするにはここをクリックしてください
カタパルト発進垂直上昇デルタ翼グライダーの製作と飛行調整(3,646KB)


カタパルト発進の垂直上昇機については,これまでに以下の発表がされています.
1996年にJAXAの高崎さんが垂直上昇する紙飛行機に関する検討[2]をされており,岡本先生の平板翼の空力特性データ[3]から前縁剥離によるモーメント係数の変化が主な要因であることを指摘しています.
カタパルト発進の垂直上昇無尾翼機は雨宮さんが2011年に発表[4]されています.

参考文献

[1] 岡本正人,「紙飛行機に見られる空力的特異性」,第28回スカイスポーツシンポジウム講演集,2023年,pp.34-37.
[2] 高崎浩一,「模型滑空機の垂直上昇について」,第2回スカイスポーツシンポジウム講演集,1996年,pp.27-32.
[3] 岡本正人,「模型飛行機のための翼型特性」,第1回スカイスポーツシンポジウム講演集,1995年,pp.103-106.
[4] 石井英夫,雨宮俊夫,「高性能スチレンCLG機の紹介」,模型飛行機クラブ ランチャーズ会報,2011年11-12月号,pp.10-13.